本記事ではフレックス全般の設定について記載します。
(ManageOZO3 3.29.0以降のバージョンが対象です。旧バージョンについてはこちらをご参照ください)
- フレックスタイム改正内容
- 変形労働時間の設定
- フレックス区分の設定
- アラートの設定
- 残業管理区分の設定
- ユーザー別設定にて紐づけ
- 時間端数処理
- 勤務表項目設定
- 勤務表の表示
- フレックスタイム対象の社員が月の途中に入社した場合
- 不足時間を繰越した場合
■フレックスタイム制の清算期間の上限を3か月に延長
2019年の改正によってフレックスタイム制の清算期間の上限が3か月となりました。
■清算期間の労働時間
清算期間が1か月超える場合でも、繁忙月に偏った労働時間とすることはできません。
清算期間が1か月を超える場合には、
- 清算期間全体の労働時間が、週平均40時間超えないこと
- 1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと
を満たさなければならず、いずれかを超えた時間は時間外労働となります。
■フレックスタイム制における時間外労働
清算期間が1か月を超える場合には、
- 1か月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間
- (1)でカウントした時間を除き、清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間
が時間外労働としてカウントされます。
フレックスタイム制の下で休日労働を行った場合には、休日労働の時間は、清算期間における総労働や時間外労働とは別個のものとして取り扱います。 (35%以上の割増賃金で計算)
区分 | Ver3.15以前の仕様 | Ver3.16の対応内容 | Ver3.29の対応内容 |
---|---|---|---|
清算期間 | 1ヶ月単位での清算 | 清算期間を3か月まで設定が可能 ※清算期間が満了する月の勤務表決裁にて清算となります ※清算期間の途中でフレックス管理外になった場合も考慮し、清算期間途中の勤務表決裁でも清算可能とする設定を設けております |
ー |
所定労働不足時間の繰越 | 所定労働の不足時間の繰越不可 | 繰越設定をすれば所定不足時間を翌清算期間に繰越可能です ただし、翌清算期間の法定労働時間内での繰越となりました |
ー |
月の所定労働時間 | 所定労働時間を予め設定 | 所定労働時間を予め設定またはユーザーの勤務予定に合わせて所定労働時間を自動で算出します。 | ー |
月の過不足時間の 計算 |
フレックスの所定/法定労働時間は固定計算式(総労働-所定/法定労働時間)にて算出 | 過不足の計算式が柔軟に設定可能となりました | ー |
日ごとの過不足 | 日ごとの過不足時間は表示されません | 日ごとの過不足時間が勤務表に表示されました | ー |
みなし残業 | みなし残業時間をフレックス所定労働時間に加算して登録※本来の所定労働分労働してもみなし分が不足時間として表示される | フレックス所定超過時間をみなし残業項目として設定可能となりました |
下記より選択可能となりました (当月or清算) |
時間端数処理 | フレックス過不足時間で1つの端数処理設定 | フレックス超過時間とフレックス不足時間に分けて設定可能 | ー |
アラート | 過不足時間のみ設定可能 | 当月・清算月のそれぞれ不足時間・超過時間の選択が可能となりました |
左記に加え、総労働・実労働の選択が可能となりました |
超過残業時間 | ー | ー |
下記より選択可能となりました (当月or清算) |
勤怠運用設定>勤務体系設定>変形労働設定>変形労働時間にて変形労働の時間を設定します
勤怠運用設定>勤務体系設定>変形労働設定>フレックス区分にてフレックス区分の設定をします
▼複数月▼
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▼単月▼
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必要に応じて、勤怠運用設定>アラート通知設定>残業アラートにてアラートを設定します
勤怠運用設定>勤務体系設定>残業項目設定>残業管理区分にて残業管理区分を設定します
作成したフレックス区分と残業管理区分をそれぞれユーザーに紐づけます
勤怠運用設定>勤務体系設定>時間端数処理設定にて端数処理の設定します(端数処理を利用する場合のみ)
勤怠運用設定>基本設定>勤務表項目設定にて勤務表の項目を表示・非表示を設定します
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▼単月清算▼
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▼複数月清算(清算月)▼
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勤怠運用設定>勤務体系設定>変形労働設定>フレックス区分にて月所定労働時間を勤務予定から自動算出に設定していると、入社前の勤務予定に休日の勤務体系を設定することで、対応可能です。
■操作手順
- 勤怠管理>勤務予定管理>勤務予定登録を表示します。
- 「登録対象」にて「社員選択」から対象の社員の方を選択します。
- [検索]ボタンをクリックすると、対象社員の方の登録画面が表示されます。
- 入社の途中日までは、休日の勤務体系コードを入力します。
- 実績を登録する対象日は、実際の勤務体系コードを入力します。
- [登録]ボタンをクリックします。
▼5/8入社の例▼
上図のように入社前専用の勤務体系を作成していただくとわかりやすいです
不足時間は翌清算まで繰越が可能です。
例)4月:所定労働時間160:00、法定労働時間171:24で、130:00働いた場合
■4月
不足時間は以下のように計算します。
・所定(160:00)-フレックス(130:00)=30:00
・翌月法定労働時間(177:06)-翌月所定(160:00)=17:06 ※POINT1
・当月所定不足時間(30:00)-翌月に繰り越す不足時間(17:06)=当月の清算不足時間(12:54)
■5月(130h労働の場合)
・所定(160:00)+繰越した不足時間(17:06)=5月の所定(177:06)
・5月の所定(177:06)-フレックス労働(130:00)=47:06
・翌月法定労働時間(171:24)-翌月所定(160:00)=11:24
・今月所定不足時間(47:06)-翌月に繰り越す不足時間(11:24)=当月の清算不足時間(35:42)
■5月(170h労働の場合)
・(所定(160:00)+繰越した不足時間(17:06))-フレックス労働(170:00)=当月の清算不足時間(07:06) ※POINT2
POINT1:翌清算期間に繰り越せる不足の最大は「翌清算月の法定労働時間」-「翌清算月の所定労働時間」です
POINT2:繰越した不足時間は繰り越しした清算期間内に必ず清算しなければらないため、不足時間が翌月に繰り越されず、当月清算となります
本記事に記載の設定例等は一般的な運用を想定した一例です。
お客様の運用に合わせて変更してください。
お願い
結果は参考値です。
運用開始前に必ずテストの上、希望される値が算出されるかをご確認ください。